内容証明の出し方|窓口・e内容証明の手順を行政書士が解説

内容証明郵便の出し方・送り方
郵便局での手続きとe内容証明(電子内容証明)の利用方法を、実務のポイントに沿って整理します。
内容証明郵便は、「いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を差し出したか」を郵便局(日本郵便)が証明してくれる制度です。契約解除・未払い請求・クーリングオフなど、トラブルの初期対応で幅広く活用されています。
いざ送ろうとすると「部数は何通?」「どの郵便局でも出せる?」「ネットで送れる?」と迷う方が多いのも事実です。なお、料金の詳細については別記事で解説しています。
この記事では、郵便局窓口での送り方とe内容証明(電子内容証明)の手順を、行政書士の観点で丁寧に解説します。

この記事でわかること
- 郵便局窓口での内容証明の送り方(必要部数・手続き手順)
- e内容証明(電子内容証明)の利用方法とメリット・デメリット
- 配達証明などオプションの選び方
- 発送前チェックリスト(差し戻し防止)
1. 郵便局窓口での内容証明の送り方
必要な部数(正本・謄本)と用意すべきもの
窓口で内容証明を差し出す場合、基本的に次のものを用意します。
- 内容文書(正本)1通:相手(受取人)へ届く本体
- 謄本(とうほん)2通:正本と同一内容の写し
- 1通は郵便局保管
- 1通は差出人の控えとして返却
- 封筒 1通:受取人・差出人の住所氏名を記載したもの
- 料金:郵便料金+内容証明加算+(一般書留)+(任意のオプション)
ここで重要なのは、正本と謄本が「完全に同一」であることです。数字や日付、会社名、肩書、条項番号など、少しでも違うと差し戻しの原因になります。特に金額や期日が絡む文書では、入力ミスがトラブルの火種になりやすいので、発送前に必ず見直してください。
また、内容証明には「謄本の作成ルール」があります。代表的には、縦書き・横書きごとに字数や行数の上限が定められており、複数枚になる場合は綴じ方や契印の扱いも関係します。細かな形式要件は郵便局で確認できますが、作り直しを防ぐためにも、あらかじめルールに沿って作成するのが安全です。
加えて、実務上は次も準備しておくと安心です。
- 印鑑(その場で訂正や契印が必要になるケースがあるため)
- 相手方の住所情報の根拠(契約書、請求書、登記情報、名刺など)
- 送付目的の整理メモ(窓口では中身の相談はできませんが、文面確認時の見落とし防止に役立ちます)
同封物は基本的にできない点に注意
内容証明は「文書そのもの」を証明する制度のため、原則として文書以外の物(資料・写真・返信用封筒等)を同封しない運用となります。証拠資料を送りたい場合は別便にする、または別の法的手段を検討します。ここを誤ると窓口で差し戻されることがあるので注意してください。
郵便局での差し出し手続き手順
窓口での手続きは、流れを知っていれば難しくありません。以下の順番で進めるとスムーズです。
- 正本・謄本2通・封筒をセットで持参
封筒は、通常の長形封筒で問題ありません。受取人と差出人の住所氏名は、読み間違いがないよう、丁寧に記載します(法人宛ての場合は、正式名称・代表者名・部署名など、宛名の作法にも注意)。
- 窓口で「内容証明で出したい」と伝える
内容証明は一般の郵便より手続きが特殊です。最初に申し出ると、担当者が必要な確認を進めてくれます。
- 文面(謄本)の形式確認
郵便局側が確認するのは主に「形式」です。
- 正本と謄本が一致しているか
- 謄本の字数・行数・体裁が規定に沿っているか
- 複数枚の綴じ方・契印に問題がないか
内容の妥当性(法律的に正しいか、請求が通るか等)を窓口が判断するわけではありません。
- 一般書留として引き受け → 料金支払い
内容証明は通常、一般書留として差し出します(簡易書留では取り扱えないのが原則です)。
料金は、基本料金に加えて、内容証明加算、書留料金、さらに配達証明などを付ければその分が上乗せされます。
- 控え(差出人分の謄本)と受領証の保管
差し出した後は、控えを厳重に保管します。
可能であれば、控えをスキャンしてPDF保管し、日付・相手・案件名でフォルダ管理することをおすすめします。「いつ、どの文面を送ったか」を後日すぐ出せるかどうかで、実務対応の速さと確実性が変わります。
対応していない郵便局もある点に注意
内容証明は、すべての郵便局で取り扱っているわけではありません。取扱局が限られているため、事前に最寄りの郵便局へ「内容証明の取り扱いがあるか」を確認するのが確実です。
また、取扱があっても窓口の締切時間が早い、混雑時は時間がかかる、といった事情もあります。急ぎの案件ほど、前日までに取扱局と受付時間を押さえておくと安心です。
オプションサービスの付加
内容証明は「文書の内容を証明」する制度ですが、実務では"到達(配達)を押さえる"ためにオプションを組み合わせることが多いです。目的に応じて、次のような選択が考えられます。
配達証明や書留とセットで送る方法(到達の記録)
- 内容証明:差し出した文書の内容と差出の事実を証明
- 一般書留:引受・配達の取り扱いが厳格で、追跡・補償の枠組みがある
- 配達証明:配達された事実を証明(いつ配達されたかを記録として残す)
とくに、期限を区切って請求したい場合(「○月○日までに支払え」「○日までに回答せよ」など)や、相手が「受け取っていない」と主張しそうな場合は、配達証明を付けることで運用が安定します。
一緒に付けると良いオプションの考え方
よくある組み合わせの例です。
- 内容証明+配達証明:通知の到達記録を強く残したい(最も定番)
- 内容証明+速達(必要な場合):期限が迫っていて早く届けたい
- 内容証明+特定記録(※取り扱い可否に注意):案件によっては使い分け(ただし内容証明は一般書留が原則のため、窓口で確認が必要)
大切なのは、「自分の目的は何か」を先に決めることです。
"相手に心理的に効かせたい"のか、"裁判や交渉に向けて証拠を整えたい"のかで、付けるべきオプションは変わります。
内容証明郵便の文面サンプル

※本画像はサンプルであり、実在の内容証明郵便の文面ではありません。
※実際の作成では、当事者情報・請求内容・期限等を事案に合わせて正確に作成します。
2. e内容証明(電子内容証明)の送り方
郵便局へ行く時間がない、遠方で取扱局がない、夜間に準備したい、といった場合は、e内容証明(電子内容証明)が有力な選択肢です。オンラインで申し込み、文書は日本郵便側で印刷・封入して発送されます。
e内容証明の利用登録方法
e内容証明を利用するには、専用サイトでの利用登録(無料)が必要です。登録後、ログインして申込を行います。支払いはクレジットカード等のオンライン決済が中心となるため、事前に支払い手段を確認しておきましょう。
オンラインでの文書作成・送付手順
全体の流れは次のとおりです。
- Wordで文書を作成
e内容証明は、原則としてWord文書をアップロードして申し込みます。文書内の表現は、窓口方式と同様に「通知内容が明確であること」が重要です(誰に、何を、いつまでに、どうしてほしいか)。
- サイトにログイン → 文書をアップロード
差出人情報・受取人情報を入力し、文書ファイルを指定します。
宛先の入力ミスが最も多いので、ここは特に慎重に行います(番地、建物名、法人名の表記ゆれなど)。
- 内容を最終確認 → 差出(申込)
申込完了の時点で、手続きが進みます。
以後、郵便側で印刷・照合・封入封かんが行われ、内容証明として発送されます。
- 差出人にも控えが届く
窓口方式と同様に、差出人控え(謄本)を保管します。オンライン申し込みであっても、「控えの保存」は必ず行ってください。
電子内容証明のメリット・デメリット比較
メリット
- 郵便局へ行かずに申し込みできる(時間と移動の負担が減る)
- 24時間いつでも準備できるため、急ぎの案件に強い
- 文書データの管理がしやすく、再送や履歴管理に向く
- 大量発送(宛先が複数ある通知等)にも対応しやすい
デメリット/注意点
- オンライン手続きに慣れていないと入力ミスが起きやすい
- Word作成が前提で、手書きの原本をそのまま送りたい場合には不向き
- 支払い手段が限定されることがある(社内規程でカード利用不可等)
- 受取人の住所が不明確な場合、差出し前の調査が必要になる
結論として、「スピードと効率」を重視するならe内容証明、「紙の原本運用・窓口での確認」を重視するなら窓口方式が向いています。
3. 発送前チェックリスト
内容証明は、差し出してからの修正ができません。差し戻しや"送り直し"を避けるため、発送前に次をチェックしてください。
- 記載漏れ・誤字のチェック、署名押印の有無確認
- 受取人(法人なら正式名称・代表者名・部署名)は正確か
- 住所(番地・建物名・部屋番号)に誤りはないか
- 日付、金額、契約番号、物件名など、特定情報は十分か
- 要求内容(支払、解除、返還、謝罪、是正措置等)が明確か
- 期限(いつまでに)と、期限後の対応方針が過度に攻撃的でないか
- 正本と謄本が一字一句同一か(数字の表記・改行位置も含めて確認)
- 複数枚の場合の綴じ方・契印の要否を確認したか
- 署名・記名押印が必要な体裁になっているか(案件性質により判断)
※注意:感情的な表現、脅迫的に受け取られる表現は、相手を硬化させるだけでなく、別のトラブルを招くことがあります。内容証明は「冷静に、事実と要求を整理して」作るのが基本です。
同封物や封筒の記載(宛名等)の確認
- 内容証明は原則"文書のみ"。資料を同封しない
- 封筒の宛名・差出人は誤字脱字なく、読みやすい表記か
- 取扱局かどうか、事前に確認できているか
- 配達証明などのオプションを付ける目的が整理できているか
- 控えの保管方法(紙+PDF等)が決まっているか
4. まとめ – 確実に内容証明を送るために
内容証明郵便を確実に送るコツは、次の3点です。
- 必要物(正本1通+謄本2通+封筒)を正しく準備し、正本と謄本を完全一致させる
- 取扱局の確認・受付時間の確認を事前に行い、差し戻しリスクを減らす
- 到達の記録が重要なら、配達証明などのオプションを適切に組み合わせる
窓口へ行くのが難しい場合は、e内容証明を活用すると時間と手間を大きく削減できます。文面の設計(事実関係の整理・要求内容の明確化・期限設定・表現の適切さ)で結果が大きく変わるため、少しでも不安がある場合は早めに専門家へご相談ください。
なないろ内容証明では、内容証明郵便の文案作成・送付代行を承っております。証拠の整理から文面の構成・表現の調整まで、次の一手を踏み出しやすくするお手伝いが可能です。お気軽にお問い合わせください。
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